刺された時のかゆみや媒介する病気について
刺されるとかゆみを伴うためにとても不快な衛生害虫です。痒みが出る原因は蚊が口吻を差し込んだときにちの凝固を抑えるために唾液を注入するのですが、その唾液に対するアレルギー反応が出るのが痒みの出る原因となっています。
かゆみは一般的にヤブカのほうがイエカよりも強いとされています。
ちなみに蚊に刺されたときに痛みを感じないメカニズムは医療分野で研究されて「痛み感じない注射針」として実用化されています。
また蚊は様々な病気を媒介することでも知られています。その中でも日本でも掛かる可能性のあるものをいくつか紹介していきたいと思います。
日本脳炎ウイルス
コガタアカイエカが媒介する病気。
ワクチン接種の整備により日本脳炎自体の発症は激減しているが現在でも年間10人程度の罹患者がいると言われている。
発症後の具体的な治療法は無くウイルスのため抗生物質は効かない。
致死率は30%と高く生存したとしても半数以上は脳に障害を受け麻痺などの重い障害が残ることが多いそうです。
マラリアのように原因となるものが撲滅されたわけではなく、ワクチン接種により発症を抑止している結果で、ワクチンの摂取をやめれば再び流行する可能性があると言われています。
もともとは保ウイルス源である豚を吸血した蚊が人間を刺すことで感染するが、厚生労働省によれば毎年ウイルスを持った蚊が発生しているとのこと。
ウエストナイルウイルス(西ナイルウイルス)
イエカ類ヤブカ類共に媒介する可能性があると言われています。
もともとはウガンダの西ナイル地方で見つかったためにウエストナイルウイルスと言う名前が付きました。
このウイルスの名を一気に広めたのは1999年に航空機に侵入した蚊によってニューヨークで拡散したというTVでの特集だったのではないかと思います。
ウエストナイル熱とウエストナイル脳炎を起こす原因となるウイルスで、感染しても8割は発症しないそうです。
のこり2割の発症者のうち3-3.5%がウエストナイル脳炎を発症するそうです。
ウエストナイル脳炎を発症した場合最悪の場合、死に至ることもあるそうです。
マラリア原虫
マラリアはウイルスや細菌ではなく寄生虫の一種である。
過去には日本でも3日熱マラリアが流行していたそうです。その当時の媒介となっていたのはシナハマダラカで、マラリア原虫が国内に侵入した場合この蚊が媒介となる可能性があると言われています。
3日熱というのは3日おきに高熱を出すことからそう言われるようになったそうですが、この周期は
赤血球内に侵入したマラリア原虫が発育して48時間おきに血液中に赤血球を破壊して出る際に発熱があるからだそうです。
現在では日本にはマラリア原虫を保持した蚊はいないとされていますが、熱帯地方に旅行をした際に科に刺されマラリア原虫を持ち帰ってきた人を日本の蚊が刺した場合、蔓延する可能性があると言われています。
デング熱
ヒトスジシマカが媒介する。
2014年に代々木公園で小規模ながら集団感染が発生したことで話題になりましたね。
デング熱は主にネッタイシマカが主たる媒介者であるので、東南アジアなどの熱帯域に旅行する際には注意すべき病気として知られています。
昔から良く言われることですが、デング熱は2回めにかかると死ぬという噂があります。
この言葉は半分ウソで半分本当というところがあり、実際にはデング熱の症状の中でもデング出血熱という病態になると致死率が上がると言われているからです。
1回めが安全というわけではなく2回目以降はそのデング出血熱を発症しやすいという統計結果があるそうです。
ですので必ずしも2回めにかかると死ぬというわけではなく、可能性として危険性が高まるということのようです。
フィラリア
主にイエカやハマダラカ、ヤブカ、ヌマカなど種類によって媒介する蚊が異なる。
有名なのは犬のフィラリアだが、人間に感染するフィラリアもある。
糸状虫という寄生虫によってリンパ感や血管に閉栓したりすることで様々な症状を引き起こす。
バンクロフト糸状虫は人にのみ寄生し象皮症や陰嚢水腫の原因となるそうです。
西郷隆盛が陰嚢水腫を患っていたとされていますが、その原因となったのこのバンクロフト糸状虫だと言う説があるそうです。
治療法としては外科手術と薬物投与による内科療法があり急を要する部位の場合は外科手術が行われることもあるそうです。
フィラリア以外の病気はほとんどが、発症すると効果的な治療法がないので、できるだけ蚊に刺されないことが大事だということになります。