品質管理の基本4Mのそれぞれの意味の解説
4Mとはなにか?
4Mとは作業工程を構成する4つのMの頭文字を持つ言葉のことです。
- Man(人)
- Material(材料)
- Method(方法)
- Machine(機械)
4Mというのは結構昔からある品質管理の基本として広く製造現場では使われています。
最近では派生したものもあるのですがそれについてはまた後で解説します。
ではそれぞれの言葉の意味について解説したいと思います。
Man(人)
作業する人のことです。
品質には熟練度や技能等が影響します。
Material(材料)
製造に使用する材料のことです。
品質には材料の精度や品質、食品であれば鮮度等が影響します。
Method(方法)
作業方法のことです。
製造の手順であったり工法、順序などを指します。
Machine(機械)
製造機械のことです。製造ライン機械や加工機械などです。
品質には加工精度や駆動の安定性が影響します。
4Mを品質管理に活かす方法
上で4つの構成内容を簡単に説明しましたが、具体的にどういうことなのか少し例にとって説明します。
例えばある金属板を機械で加工して穴を4つ開けました。穴の位置がずれて加工されてしまいました。考えられる要因は?
4つの要素から考えてみます。
- 人:加工位置を間違えて加工した
- 材料:投入した材料の寸法が違っていた
- 方法:加工手順に不備があり穴の開ける場所が違っていた
- 機械:加工精度が悪く設定した位置に加工ができなかった
一つの結果に対して複数の要因が考えられます。
今回は結果をかなりアバウトにしているのでどれが真の原因かと言うところはわからないですが、これらの要素を検証して問題点を見つけて改善するための考え方が4Mというものです。
機械製造だから機械に問題があると決めつけて対策をするのではなく、これら4つの要因から原因を探ると真の原因、真因へとたどり着きます。
真因へとたどるための手順についてはまた別途書きたいと思います。
人は何を間違って作業したのか?材料に不備はなかったか?その手順が本当の適切か?機械は正しく動作していたか?
これらのことを一つずつ解決することでより良い作業となるわけですね。
4Mの派生6M・5M+1Eとは?
今でも4Mとして現場教育に使われているところが多いですが、最近では更にそれを進化させた6Mや5M+1Eというものもあります。
5M+1E
- Man(人)
- Material(材料)
- Method(方法)
- Machine(機械)
- Measurement(検査・測定)
- Environment(環境)
もともとの4つに検査・測定と環境の2つを追加したものが5M+1Eです。
追加された2つの要素はどういうことなのかというと
Measurement(検査・測定)
他のものにも関わってくる部分ですが、材料の検査、機械の検査、製品の検査等がこれに当たります。
Environment(環境)
気温や湿度、清掃状況などがこれに当たります。
1M+1Eが増えた理由は?
検査・測定はもともと、方法や機械に含んで考えられてきましたが、独立して考えるようになってきました。
一つの工程として考えた時に製品の精度や品質というのは重要なので、独立した要素として5Mというくくりにする場合も増えてきました。
環境が追加されたのは食品や鋳物など温度や時間が重要な業種もあることから追加されました。
通常の製造業でも温度によって材料の加工しやすさに影響したり、機械の動作に影響する場合もあり、製造環境が品質に影響するということが認識されてきた結果追加された要素です。
車でもエンジンが温まる前に回転数を上げるとオイルの温度が上がらずエンジンを痛めたりしますよね。
これは製造機械も同じ温度が低すぎる、または高すぎる状態で稼働すると故障の原因や不良の原因になります。
6M
- Man(人)
- Material(材料)
- Method(方法)
- Machine(機械)
- Measurement(検査・測定)
- Management(管理)
多品種少量生産に対応するために追加されたのが検査・測定と管理です。
検査・測定は5M+1Eと同じですね。
Management(管理)
多品種を効率よく生産するために工程や資材の管理をすることです。
従来は4Mの中に含まれていた部分ではあるのですが、現在では管理の重要性がより重視されるようになったので独立した要素として挙げられ得るようになりました。