髪色を黒とするとした根拠とは?
日本人を含むアジア人の多くは黒髪で黒い瞳をしています。
そう信じて疑わない人は多いのではないかと思います。
実際にどうかというと日本人の中にも8%程度髪色の薄い人がいるというアンケート結果があります。つまり大体12-3人に1人ですね。
そうなるとクラスに3-4人くらいは髪色が黒ではない生徒がいることになります。
もちろん程度の差があるので明らかに明るい色となるともっと少なくなるかとは思いますが、9割以上が黒髪であるということが根拠の一つとなっていると考えられます。
大多数が黒髪だから染めたりするのは違反ですよというのが発端となっているのでしょう。
同じアンケートの中で髪色について指導を受けたことがあると答えた人は2%程度いたということなので、校則で決められていても寛容なところや、そもそも髪色についての規定のない学校もあると考えられるので、学校によってはかなり多くの生徒が指導を受けていることになると思います。
この殆どの日本人は黒髪であるから髪色は黒であるべきという校則が出来たということでしょう。
つまり、
黒ではない=染色・脱色している
というステレオタイプから生まれた規則だといえます。
本来の髪色でない色にしていることが非行行為であるという理由から禁止とされているというのが大義名分ではあるわけですが、地毛である証明をしたとしても教師間で情報共有がされずに何度もいわれなき指導を受けるという例が、長年に渡って発生しているのが実情です。
髪の色はもともと黒と認識される濃さをしていたとしても、人によっては日光で退色することもあり、私も基本的には黒い髪色なのですが、高校時代特に日差しの強い夏場にはかなり色が抜けていました。
これは個人差があるのですが、もともと白髪家系なのが影響しているのか、こげ茶色くらいまで色は抜けることが多かったです。水泳部にも塩素の影響も相まって茶色くなっている同級生は結構いましたし、あえて染色・脱色をしていなくても髪色が黒でなくなることはあるわけです。
そういった事実を無視して時代錯誤の校則を強要することの矛盾を続けていることに疑問を感じざるを得ません。
そもそも問題は本来の髪色から染色・脱色することが非行行為であるから本来の髪色(黒髪)であるべきであるという目的であったはずが、生まれながらの髪色ではなく黒髪にするという手段と目的が逆転した状態を是としてきているという愚かな状況なわけです。
生来の髪色に手を加えることを非行行為としているはずが、髪を染めてでも黒髪にしないと授業を受けさせない、学校行事にも参加させないということに執着して前途ある生徒の未来を奪うことが果たして学校の規則としての本来の意味でしょうか?
そんなはずあるわけがありません。
本来の目的を履き違え、妄執して禁止すべき行為をもって誤った目的を達成することに何の意味があるのか?
そのことにすら気づけないものが教育者として的確かと言われたら、はっきりとNOと言えるでしょう。
国際化する社会の中での問題点は?
今回の発端となった大阪の府立高校での件では、高校側が留学生であっても校則だから黒に染めさせるというコメントをしていることから批判が大きくなっています。
この件に感してはほかにも明らかな人種差別でははないかという批判も上がっていて、まったくもってそのとおりだと思います。
ブロンドの生徒が入学してそれを黒く染めるように指導、強要したと慣れば深刻な人種差別です。
最近では人種差別問題について大きく取り上げられることが増えています。
記憶にあたらしいところでは2017年の年末に放送されたダウンタウンの「笑ってはいけない・・・」で浜田雅功が顔を黒塗りしてエディ・マーフィーのに扮したことが海外を含めて人種差別ではないかと物議を醸しました。
実際にこの生徒も祖父がアメリカ人で1/4アメリカ人の血が入っているということだったので、髪色に違いがあることに理解を示すべき事例であったわけです。
日本は移民の受け入れに積極的ではないということで国際的にはあまり良い評価をされていません。
その上でこういった人種差別の温床となりうる悪しき校則が見直されること無く存続しているということに、危機感を感じないといけないと思います。
余談ですが私がカナダに留学していたときに州の発行しているIDカードを持っていたのですが、申請の際に目と髪の色の登録もされます。
私も日本人なので黒目に黒髪だと思っていましたが、瞳は茶色で登録されました。実際近くでよく見るとこげ茶色なんですよね。