燻製の種類について
さて燻製の種類について詳しく書いていきたいと思います。
1.熱燻
熱源と食材の距離が近く、燻煙時間も数分から30分位までが多い。
燻煙時間が短いため燻製特有の保存性は殆ど無く、あくまで香りをつけた食材を楽しむための手法と言っていい。
保存性が期待できない反面、簡単に作って食べれるためお酒のアテなどにちょっと燻製を作ろうかというくらい気軽に作れるのが最大の利点と言える。かまぼこやちくわ、一夜干しなど下ごしらえの要らない食材を利用すると更にお手軽になる。
熱源が近いためチーズのように溶けてしまうものはやりづらい。(方法が無いわけではない)
熱燻は大抵の場合コンロの上で作るため、あまり大量に作ることは出来ないのと、換気をしっかりしておかないと部屋の中がかなり臭くなるので注意が必要である。
熱燻のやり方
1.食材を下ごしらえしておくか、下ごしらえの要らない食材を用意する
2.空焚きのできる鍋などにアルミホイルを敷き底にスモークチップを置き火をつける。
または適当なサイズに切ったスモークウッドに火をつけて置く。
3.食材が焦げたり火が通り過ぎないように注意しながら燻煙をかける。
2.温燻
温燻は自分でやることはなかなか機会が無いが、知らず知らずのうちにお世話になっている燻製方法である。
温燻の代表的なものは、ハム、ベーコン、ソーセージなどであり、最も身近にある燻製と言えるだろう。
燻煙時間は大体2時間から6時間くらいのものが多い。熱源利用の場合とそうでない場合で多少手順は変わるが、基本的には低温加熱調理と燻煙による柔らかい仕上がりが特徴である。
長時間燻煙すると言う関係で温燻は屋外で行うことが多い。
その為燻製に使うスモーカーのサイズに制約が少なく大きなものだと、10kgくらいは楽にまとめて燻製できる。
作業に入ると半日以上は様子を見る必要があるので、作業時間が長い。とはいってもずっと見張っているわけでもないので、ネットをしたり本を読んだりゲームをしたりしながらちょこちょこ様子を見ればいいだけの簡単なお仕事です。
スモーカー内にも温度のムラがあることが多いので、時々高さや置いてある向きなどを調整するとよりきれいに均一に仕上がってくれます。
温燻のやり方
1.食材を下ごしらえする。大体4日から2週間程度かかる。
2.食材を吊るす、または網に並べ予め燻煙を掛ける前に熱源を入れ表面をある程度乾燥させる。(水分があると木酢の影響で酸っぱくなってしまう)
3.時間をかけながらじっくり燻煙をかける。温度管理をするときには庫内温度に注意する。時々高さや向きを調整して燻煙のかかりのむらが無いように注意する。
4.中までしっかり加熱されれば完成(熱源がないときは密閉できる袋に入れ内部温度が安全な70度過ぎまで加熱する。表面もタンパク質が凝固する75度を大きく越えないように注意する)
3.冷燻
冷燻には2つの方法があり、スモークサーモンのような水分を飛ばさないソフト冷燻と言われる方法と、鮭とばなどのように水分を何日もかけて燻煙をかけながら抜いて乾燥させる冷燻である。
ソフト冷燻は食材を生のままの温度で燻煙するということを除けば、考え方は熱燻に近いものである。
昔ながらの冷燻は鮭とばやイヌイットたちの保存食としてのスモークサーモンなどが有名である。
日本だといぶりがっこなども冷燻にあたる。
家庭でやるものとしては本来の冷燻はなかなか厳しい。
冷燻のやり方(ソフト冷燻)
1.食材を下ごしらえする。
2.スモークウッドを使い温度の上昇に気をつけながら燻煙をかける。細菌などの増殖を避けたいので、氷などを利用してできるだけ低温を維持する用に気をつける。
3.2時間程度燻煙をかけたら完成
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