どうも、まんぼうです。
コロナウイルスの影に隠れてあまりほうどうされることの無い問題ですが、今年アフリカを起点として発生している蝗害(こうがい)について書いてみたいと思います。
いまアフリカから中東、西インドにかけてサバクトビバッタによる農作物の食害が継続的に続いています。
日本でもイナゴの大群という例えがあるくらいバッタの大量発生は昔から恐れられていたことが知られています。
では蝗害を起こすバッタにはサバクトビバッタ以外にどんな物があるのか調べてみました。
蝗害(こうがい)とは?
蝗害とは大量発生したバッタにより農作物が食い荒らされることを指し、古代から天災の一つとして数えられるくらい恐れられたものです。
大量発生した群生相のバッタおよびその集団が移動することを飛蝗、それにともなう農作物の被害を蝗害と呼ぶ。
蝗害はイナゴじゃない
蝗害と感じで書くと蝗とはイナゴを指すが、実はイナゴは蝗害を起こすバッタとは別の科にあり大量発生はしない種類である意味濡れ衣である。
大陸から蝗の字が入ってきたときにイナゴの訓読みが当てられたことに由来するとされている。
蝗の字は中国では群生相を起こしたバッタ類を指す語であったが日本語に取り入れらたときに意味が違った形になってしまった。
その理由の一つと考えられるのが日本では群生相となったバッタの被害がほとんど起こらなかったためにイナゴやバッタ、ウンカ等による大規模な虫による食害を蝗害と解釈したからと言う説がある。
群生相を起こすバッタの種類
いま世界的に問題になっているバッタはサバクトビバッタですが、他にも群生相になるバッタは複数存在しています。
トノサマバッタ
日本で一番馴染みのあるバッタで生息範囲は東アジアに広く分布するバッタ。アフリカにいる亜種もいてマダガスカルなどで大発生を起こしている記録がある。
中国では殷の時代から蝗害はあり蝗の字はトノサマバッタの群生相を指していると考えられている。
サバクトビバッタ
いまアフリカで大量発生しているバッタ。
主に北アフリカに生息し中東からインドの一部、ヨーロッパの一部にも生息している。
その名の通り砂漠や乾燥した地域に生息している。
群生相になるバッタの中では大型でオスで4-5cm、メスで5-6cmになる。
モロッコトビバッタ
アフリカ北西部のモロッコからアジアまで広く分布するバッタ。
群生相になる条件が厳しいためあまり発生しないらしいが1980年にアフガニスタンで大発生している。
名前だけ見るとモロッコ周辺だけに生息しているのかと思いきや思いの外生息範囲は広い。
オーストラリアトビバッタ
オーストラリアの沿岸部を除くほぼ全域に生息するバッタ。
主に乾燥地帯に生息している。
ロッキートビバッタ(絶滅種)
北米に生息していたトビバッタで18-19世紀にはたびたび蝗害を引き起こしたことで知られている。
1875年に発生した最大規模の発生では12兆5千億匹と推定されると言われている。
原因は不明だが1902年にカナダで確認された個体を最期に発見されておらず2014年に絶滅種とされた。
北米に生息するトビバッタはこの一種だけだったため北米では蝗害を起こすバッタは絶滅したとされている。
ミナミアメリカバッタ
詳しい情報は見つかりませんでしたがいま南米のペルーやアルゼンチンで発生しているのはミナミアメリカバッタという種類のバッタとされている。
日本でも群生相は起こるの?
日本では蝗害を稲を食い荒らすイナゴを指して蝗害とする場合もあるが群生相による蝗害も発生している。
江戸時代には関東平野で発生した記録もあり、昔から一定の発生は起こっていたことがわかっている。
規模は大きくないもののごく最近でも群生相は発生していてその中でも現代的な発生で意外なものが2007年に関西空港の第2期島で発生したトノサマバッタの大発生がある。
人工島で緑地が少なかったためにトノサマバッタが群生相になってしまったという珍しいケースである。
これ以外にも散発的に発生することはあるが規模がさほど大きくないことと殺虫剤の散布で対処できるためあまり一般には知られていないようである。
最後に
というわけで今回はいま猛威を奮っているサバクトビバッタ以外にどんな蝗害を起こすバッタがいるのかについて調べてみました。
今回挙げたバッタ以外にも群生相になるバッタは存在しているが、今回は比較的頻繁に発生していたり地域的に特徴のあるものを挙げました。
というわけで今回は、サバクトビバッタ以外の蝗害を起こす種類は?日本にも群生相は起こるのかについてでした。
ではまた。
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